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【株価ブラウザ明日香】財務チャートと理論株価

 【明日香】財務チャートと理論株価、財務評価について説明します 。


【株価ブラウザ明日香】 - [オンラインマニュアル] - [財務チャートと理論株価]


■財務チャートとは?

 【明日香】財務チャートは、株価とバランスシート、利益を、同じ単位(1株あたり)でグラフ化したチャートです。
 チャートのグラフを見るだけで、株価と財務の状況を見ることがでますので、数字を読む必要がありません。
 財務チャート
 【明日香】財務チャートは、財務指標などの数字が苦手な人でもアナログ感覚で理解できるように工夫されています。
 また、上級者の方は一瞬グラフを見るだけですので、短時間で効率的な財務チェックが可能です。

全株単位1株あたり単位
時価総額株価
総資産(バランスシート)1株資産
負債(バランスシート)1株負債
純資産(バランスシート)1株純資産(BPS)
純利益1株利益(EPS)

 1株あたり単位は、それぞれの項目を発行済株式数で除した単純なものです。
 利益やバランスシートを1株単位に標準化することで、個人投資家の視点である株価と比較しやすくなります。

■バランスシートの読み方

 それでは、キヤノンの財務チャートからバランスシートの内容を見てみましょう。
 財務チャートのバーの上、およびグラフ右側に数字もあわせて表示しています。
 財務チャートのバランスシート

・1株バランスシートの内容

1株資産4,774円
1株負債2,205円
1株純資2,568円
資本比率53.8%
レバレジ1.86
1株利益211.54円

 これらの数字は、次のような意味になります。

「キヤノンは1株あたり、2,568円を元手に、
 2,205円の借金をしていて、
 あわせて4,774円の資産を運用しています。
 得られる利益は、1年間で211.54円です。」

 財務チャートは、これらの数字をグラフ化することにより、
 図をみるだけで直感的に理解できるように工夫しています。

 元手となる純資産は、バランスシートの黄色部分です。
 同じく借金は、負債の赤で表示されています。
 純資産と負債を足した資産は、右側の緑色の部分です。

 企業は元手に加えて借金で資金を調達し、利益活動を行っています。
 その結果、得られる利益が1株利益のオレンジ色です。
 (利益は資産より小さいため、財務チャートでは10倍利益を薄いオレンジ色で表示しています。)

 純資産(資本)と負債の比率が、財務分析でも重要な自己資本比率に当たります。
 自己資本比率は資産に占める元手の割合(キヤノンは53.8%)で、高いほど借金が少なく健全な企業になります。
 また、財務レバレッジは借金込みの資産が元手の何倍あるか(キヤノンは1.86倍)を示しています。

 自己資本比率や財務レバレッジは、財務チャート中の黄色と赤の大きさを比べて直感的に把握できます。

■4種類の財務指標

 財務チャートでは株価、バランスシート、利益を組み合わせた4つの財務指標を表示しています。
 計算式が複雑で数字を理解することが難しい指標も直感的に捉えることができるでしょう。
 財務チャートの財務指標

PBR 株価純資産倍率。株価÷1株純資産で算出。資産価値に対する株価の割安度を表します。
PER 株価利益率。株価÷1株利益で算出。利益に対する株価の割安度を表します。
ROA 総資産利益率。総資産÷利益で算出。総資産に対する収益効率を表します。
ROE 自己資本利益率。自己資本÷利益で算出。自己資本に対する収益効率を表します。

■理論株価について

 理論株価は、財務指標を資産価値事業価値の2つの要素に分け、妥当株価の目安として算出したものです。
 理論上限は理論値の上限メドを、資産価値は理論値の下限メドを示します。
 すべての理論株価は同じ計算式を使用しているため、割安・割高の判断や同業他社比較に利用できます。
 財務チャートでは、実績ベース、予想ベースの2種類の理論株価を株価とあわせて表示することができます。
 財務チャートの理論株価

・理論株価と構成要素

株価 現在の株価(青色)を表します。
理論上限 資産価値(薄い緑色)と事業価値(薄いオレンジ色)、プレミアム事業価値(薄い水色)で表します。
 理論上限=資産価値+事業価値×2
上限余地 理論上限に対する株価の修正余地を表します。
 上限余地=(理論上限−株価)÷理論上限
理論株価 資産価値(薄い緑色)と事業価値(薄いオレンジ色)で表します。
 理論株価=資産価値+事業価値
修正余地 理論株価に対する株価の修正余地を表します。
 修正余地=(理論株価−株価)÷理論株価
事業価値 1株利益(EPS)とROA、およびROE(ROA×財務レバレッジ)で評価します。
 事業価値=EPS×ROA×150×財務レバレッジ補正
  財務レバレッジ補正=1÷[0.66<=(自己資本比率+33.3%)<=1]
※評価率が100%未満の場合は、評価率(0.5〜100%)を乗じた値となります。
 (ただし、プレミアム事業価値は評価率の影響を受けません)
資産価値 1株純資産(BPS)の50〜80%で評価します。
1株純資産から自己資本比率別に資産毀損リスクを織り込んで評価します。
 自己資本比率80%以上:80%
 自己資本比率67%以上:75%
 自己資本比率50%以上:70%
 自己資本比率33%以上:65%
 自己資本比率10%以上:60%
 自己資本比率10%未満:50%
※評価率が100%未満の場合は、さらに評価率(0.5〜100%)を乗じた値となります。
評価率 資産価値、事業価値に対する評価率を表します。
通常は100%ですが、PBR0.5倍未満の場合は、市場リスクを織り込んで評価します。
 PBR1.00倍以上:100% 正常
 PBR0.50〜0.99倍:100% ほぼ正常(株価が解散価値以下となっているが、市場リスクを意識するほどではない)
 PBR0.41〜0.49倍:80% 要認知(株価が解散価値の半分以下となり、市場リスクを認知すべき状況)
 PBR0.34〜0.40倍:66% 要監視(株価が解散価値の40%以下となり、業績や財務を監視すべき状況)
 PBR0.25〜0.33倍:50% 要注意(株価が解散価値の1/3以下となり、業績や財務の推移に注意を要する状況)
 PBR0.21〜0.25倍:33% 注意喚起(株価が解散価値の1/4以下となり、業績や財務に注意喚起が必要な状況)
 PBR0.04〜0.20倍:5〜25% 破綻予備軍(株価が解散価値の1/5以下となり、破綻予備軍と認識されている状況)
 PBR0.00〜0.03倍:0.5〜2.5% 実質破綻(株価が暴落し、実質破綻もしくは破綻確率の高い危機的な状況)
株価診断 理論株価から株価水準の適正・割安・割高を診断します。
 [割安] 理論株価の0.8倍未満
 [適正] 理論株価の0.8倍−1.2倍
 [やや割高] 理論株価の1.2倍以上、理論上限未満
 [割高] 理論上限以上
 [超割高] 理論上限の2倍以上
倒産確率 1年以内の倒産確率を示します。
時価総額、PBR、株価、自己資本比率、BPS、EPSから算出します。
また、上場市場や企業規模により倒産確率を補正します。
通常は0%ですが倒産確率がある銘柄は、数値が小さい場合でも万が一のリスクがあることを示します。

 ※EPS、ROA、ROEは初期設定では前期実績、または会社予想ベースで計算します。
 (今期予想を独自に予想入力することもできます)

■財務評価の使い方

 財務評価は、財務チャートを5つの評価項目にまとめ、[A]〜[E]の5段階で簡易評価したものです。
 各項目を点数化した評価スコアを使って、銘柄比較も簡単に行えます。
 財務チャートの財務評価

割安性 (株価の評価)理論株価に対する株価の割安度を表します。
参考:理論株価、修正余地
安全性 (財務の評価)財務の安全性・健全性を示します。
参考:自己資本比率、上場市場
収益性 (収益の評価)収益力、収益効率を示します。
参考:事業比率、ROA、ROE
将来性 (市場の評価)市場評価から将来性を評価します。
参考:PBR、(BPS)、(事業比率)、(時価総額)
企業規模 (規模の評価)時価総額、純資産から企業規模を評価します。
参考:BPS、時価総額
評価スコア (総合の評価)5項目をポイント化した50点満点の総合評価です。
[A]10点[B]7点[C]3点[D]2点[E]1点

 財務評価は収集した株価から自動計算されるので、リアルタイムで監視・スクリーニングすることができます。
 ※PER、ROA、ROEは初期設定では前期の実績純利益をベースに計算します。
 (今期予想を独自に予想入力することもできます)

・財務評価の目安
 財務評価の各評価項目の目安は下表の通りです。5段階で理解しやすくなっています。
 チャートを合わせて見ることで、どういうチャートが良いのか悪いのかがアナログ感覚で身に付きます。

割安性 [A]かなり割安 [B]割安 [C]中立 [D]割高 [E]かなり割高
安全性 [A]安全 [B]おおむね安全 [C]注意 [D]懸念 [E]かなり懸念
収益性 [A]超高収益 [B]高収益 [C]普通 [D]低収益 [E]かなり低収益・赤字
将来性 [A]楽観 [B]堅実 [C]普通 [D]懐疑 [E]悲観
企業規模 [A]超大型 [B]大型 [C]中型 [D]小型 [E]超小型
評価スコア [41〜50]超優良 [31〜40]優良 [21〜30]良 [11〜20]普通 [1〜10]不良

財務評価は、あくまで投資の参考情報です。
最終判断はご自身で行ってください。
 【注意】財務評価のデフォルトは実績評価です。今期予想の評価は、今期予想を独自に予想入力する必要があります。

・財務評価フォルダの表示
 ツリー画面の[財務評価フォルダ]から評価別に銘柄をピックアップ表示することができます。

 財務評価リスト

■財務評価スクリーニング

 【明日香】の銘柄検索では、割安性、安全性、収益性、将来性、企業規模の各項目から絞り込みが可能です。
 財務指標の意味や数字を知らない人でも[A]〜[E]の5段階の組み合わせで簡単に財務スクリーニングできます。
 市場や業種、決算月、出来高異常シグナルなどのフィルターで特定グループを絞り込むこともできます。

 財務評価スクリーニング

■予想1株利益の入力方法

 IR資料や四季報などから予想1株利益を入力することもできます。

【右クリックの画面】
 リスト画面で対象となる銘柄を右クリックして[プロパティの設定]を実行します。
 [プロパティの設定]は、対象銘柄をダブルクリックしても開くことができます。
 右クリック画面

【プロパティの設定画面】
 プロパティの設定画面が開きますので、[財務情報のユーザー設定]から[1株利益]に数値を入力してOKを押します。
 数字は、0.01円単位で入力する必要がありますので注意してください。

  1株利益:19.48円の場合は、1948と入力します。
 プロパティの設定画面

 同様に、1株資本(0.01円単位)、資本比率(0.1%単位)、1株配当(0.01円単位)も入力することができます。

  1株純資:182.46円の場合は、18246と入力します。
  資本比率:14.6%の場合は、146と入力します。

 [財務情報のユーザー設定]に数字を入力すると、PBR、PER、ROA、ROEなどの財務指標は、入力データを優先して計算するようになります。

 [プロパティの設定]から入力できるデータは1つずつとなります。
 時系列毎に複数のデータを入力する場合は、財務3点ファイルを作成します

■謝辞

 【明日香】財務チャート、理論株価、財務評価は、個人投資家はっしゃん氏の監修・協力により開発されています。
 独自の分析ノウハウを惜しみなく提供いただいた、はっしゃん氏に心より感謝し、この場を借りて御礼申し上げます。

  はっしゃん氏のブログ:http://hatsyan.cocolog-nifty.com/kabu/


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